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父母は子供の心身の健全な発達を図るために、子供を養育する責務がありますが、今回の改正で、父母は、親権の有無に関わらず、子の人格を尊重する義務が明記されました(民法817条の12第1項)。今後、父母は子を養育する際に、子供の意見に耳を傾け、その意見を適切な形で尊重する姿勢が求められます。
また、父母は、親権や婚姻関係の有無に関わらず、子供を自己と同程度の生活を保持するレベルの扶養を行う義務が明記されました(民法817条の12第1項)。なお、条文には、「子」と規定されているので、未成年の子供だけではなく、成年の子供も扶養の対象となります。
そして、「父母は、婚姻関係の有無にかかわらず、子に関する権利の行使又は義務の履行に関し、その子の利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければならない。」(民法817条の12第2項)とされ、父母間の人格尊重協力義務が明記されました。これは、従前の民法にはなかったものです。具体的には、暴行・脅迫、誹謗中傷、他方の親権行使に不当に干渉する、親子交流を不当に妨害する、養育費の支払いを一方的に拒否する等の行為がこの義務に違反するとされています。なお、この義務に違反した場合は、親権の指定や変更で不利に働くことが考えられます。
次回も、引き続き、改正民法について解説します。