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中小企業・労働コラム⑦ 労働審判について

企業と従業員の間で、未払い賃金や残業代などの労働トラブルが発生した場合、企業と従業員との間の交渉で解決すれば良いのですが、そうならない場合も多分にしてあります。

交渉が功を奏さなかった場合には、労働審判や訴訟に移行するのが通常です。ここで、民事調停という手段を取ることも可能ですが、複雑な事案でなければ、労働審判やあっせんという手続に移行することが多い印象です。今回は、労働審判について解説します。

労働審判とは、裁判官1名と労働審判員2名がメンバーとなる労働審判委員会が、審理を担当する手続です。審理は非公開で、迅速な紛争解決を目指しています。

そのため、期日は、原則3回となっており、当事者双方にとって、初回の期日が重要になっています。つまり、当事者は、初回の期日に主張とその証拠を出し尽くすよう準備しなければなりません。その点が負担になりますが、紛争は3ヵ月で解決すると言われています。

また、労働審判においては、労働審判という形で裁判所の判断が下されるので、当事者が納得しやすいというメリットもありますし、通常の訴訟と比較して当事者の意見を(口頭で)ヒアリングする時間や機会が多いです。

なお、労働審判に納得がいかない場合は、異議申立てを行えば、訴訟に移行します。

ですので、労働者側にとっては、労働紛争の早期解決とその先の強制執行まで見据えるのであれば、労働審判という手続きを選ぶのが良いと言えます。

企業に取っては、短期間に紛争を解決できるメリットがある一方、準備が通常の裁判より慌ただしくなるというのが特徴です。

次回も、引き続き、労働紛争について解説します。

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